感想文モドキ。てか、メモの一部。
タイトル:博士の愛した数式
作者:小川洋子
私はこの作品を読んだときの純粋な感想を瞬間的に忘れていく。
二度とその感情を人は持つことができないのは本当に悲しい。
主人公の博士は、辛いことや悲しいことを片っ端から忘れていける。
どんなに死にたいほど苦しいと思っても、
80分待てばその苦しみから解き放たれる。
彼は楽しいことを忘れてしまえば楽しかったことさえ覚えていないのだから、
悲しくはないはずだ。
本当につらいのは、周りの人間なのだ。
どんなに博士と時間を過ごしても。
どんなに博士を愛しても。
どんなに博士に愛されても。
博士は一つも覚えていられない。
八十分経てば全ては無にかえる。
決して、報われることはない。
そんな、一方通行で決して通じ合うことのできない人間関係。
そして、博士を取り巻く世界は
変わることのない幸せであり、変わることのない不幸であるのだ。
それは静かな澄んだ冷たい世界。
人は変わらないものを求めて、探して、作って、何とか生きていく。
(メモ欠落)
しかし、博士は違う。以前の記憶を持たない限り、
『その博士』は繰り返し死んでゆく。
そんな博士の絶望については全く描かれていない。いや、きっと書けないだろう。
どんな文章を書く天才であってもそんな極限の絶望は表現できないのだ。
最後なんか、完全に書評ですね。
てか、実際に手書きしたときには入れ替えたりして
もっと違う内容だった気がするなぁ。
なんて書いたんだっけなぁー。